JOURNAL

2013年1月10日

Little Witch もてますカラCM その2

刺繍とCM全体のクリエイティブディレクションを姉川が担当した、コスメブランド “Little Witch” の 「もてますカラ」 。その後、CM効果で売上が2倍になったという嬉しい報告も入ってきました。今回の記事では、エイジングケアができる効用と、大人の女性の洗練されたカワイイ世界観、その両方を伝えるためのプロセスについてご紹介します。

 

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「もてますカラ」 は毛髪の専門家が研究開発した、「マスカラでエイジングケア」できる“ まつ毛美容液いらず ”の最先端マスカラです。メインのターゲット層はデイリーにマスカラを使用する必要がある、25歳~30歳位の働く女性たちです。仕事にプライベートに日々忙しく、お洒落やメイクにも余念がない、そんな大人の女性が抵抗なく、素直にカワイイと思える表現を求めて、たどり着いたのが「刺繍」でした。Little Witchのブランディングからアートディレクションを手がけている DONGURI さんからの依頼で、公式サイトや店頭什器などのキービジュアルに使用する刺繍のロゴタイプを制作したことをきっかけに、Little Witchブランドの独自性のある表現として、刺繍のビジュアルを使った世界観が確立していきました。

 

≪ リトルウィッチ 「もてますカラ」 登場篇 CM (15秒) ≫ -女の子は “カワイイ” の研究者-
日夜おしゃれの研究に余念のない女の子が、新しいマスカラを研究しているシーンから始まります。浮遊している試験管から小さなの宝石(天然エンドミネラル)が化学反応し、キラキラ飛び出します。ついにエイジングケアができるマスカラを発見!
さっそく試してみると、まつ毛のハリ・コシがアップ。より一層かわいくなった女の子の元に、タキシードに身を包んでバラを差しだすピエールが求愛、花や動物たちも集まって来て、モテモテになるクライマックスシーンでしめくくります。

 

今回の15秒CMの一番の課題は、世界観と効用の説明を両立させることでした。「もてますカラ」を使い続けると、まつ毛にハリ・コシがでる、エイジングケアができるといった、商品としての機能をしっかり伝えること。ただし、CGでまつ毛をぐーんと伸ばすようなわざとらしい表現では、Little Witch がこれまでに訴求してきたメディカル感・清潔感・知的なブランドイメージに合わず、世界観も損なってしまいます。そこで、世界観を損なわず、ナチュラルに自然に伝えるために、エイジングケアの効用についても、刺繍を使った演出を取り入れています。

 
▼エイジングケアの演出に使用した刺繍モチーフ
「マスカラでエイジングケア」の最初のカットから刺繍を少し入れていくことで、全篇を通して刺繍のビジュアル遊びがあることを予感させる演出に。また、マスカラのブラシをフォローするようにキラキラした糸のステッチが流れ、糸が縫われながらまつ毛のハリ・コシを表現してるカットは、世界観と機能の両立にこだわって、最後の最後まで調整したポイントです。

▼ラストのクライマックスシーンに登場する刺繍モチーフ
タキシードのピエールや動物だけでなく、花や試験管までも擬人化され、女の子の可愛さに集まってくる、生きとし生けるものすべてにモテモテになっているイメージです。ピエールが一番ノリして、がんばってプロポーズしている箇所は残念ながら現在はカットされていますが、関西地区での先行オンエアVerでぜひチェックしてみてください。

 

絵コンテを元に、撮影前に何度もラフ映像を作り変えてテストを行っています。ラフ映像を見ながら制作スタッフやクライアントと打ち合せを重ね、納得のいくまで表現の工夫や調整を行い、完成度を高めていきました。映像や音の各分野においても豪華なメンバーが集まり、1つの作品をつくり上げています。
 

カメラマンは、資生堂やコーセーなどのCMも手がけている半沢健さん。フォトグラファーとしてファッション、広告、CDジャケット、風景写真にとどまらず、CMやミュージックPVの撮影や演出など、広いフィールドで活動をされています。今回はデジタルでは出にくい透明感のある、透き通った微細なトーンを表現するため、あえてフィルムで撮影を行っています。

 

CM全体のサウンドデザインは数々のCM音楽を手がけ、TV番組や映画・ゲームの音楽の他、アーティストのプロデュース・楽曲提供・アレンジなども手がける音楽制作プロダクション、マニュアル・オブ・エラーズ・アーティスツ代表の山口優さん、CMソングの作曲は宮川弾さんです。カワイイ世界観の中にもひっかかりを求め、耳に残る・覚えてもらえる、おしゃれでかつ個性的な楽曲のオーダーを見事に再現してくれました。

 

歌はユニバーサルミュージックに所属しているシンガーソングライターのQoo Bee Littleさん。単にかわいいだけでなく、特徴的で気になる声がCMソングのイメージにぴったりで、満場一致でQoo Bee Littleさんに決まりました。
ナレーションはアニメや吹き替えなどでも活躍されている、81プロデュース所属の寺田はるひさん。声のトーンやテンションなど、細かな要求に応じて、バリエーション豊かでプロフェショナルな声をいただきました。

 

撮影や映像に関する全体のプロデュースは、制作プロダクションのタングラムさん+Triple Additionalさん。映像の質感や空気感から、試験管や天然エンドミネラルをイメージしたダイヤのような宝石のCG、刺繍のアニメーションに至るまで、技術やクオリティの高さ、ビジュアルセンスは抜群です。

 

最後に、Little Witch 全体のアートディレクションをしているDONGURI さんは、今回のCMでも世界観の設計から細部のデザインまで手がけています。研究室をイメージした撮影セットも手作りされていたりと、ディティールをとても大切にされる細やかさは、Little Witchのブランディングはもちろん、クライアントの思いをクリエイティブの隅々まで行き渡らせています。

 

Little Witch のfacebookファンページにて、撮影時のメイキングムービーもアップされています。こちらもどうぞご覧ください。

 

 

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